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銀行員が願う平日の休日はいつか

銀行の休日は銀行法により、土日、祝日と年末年始と定められている。これがこの8月16日から緩和され、平日の休業が可能となった。そのほか、様々な弾力的運用も認められている。店舗の置かれた市場環境に合わせた店舗営業日の設定や近隣店舗と合わせて休日を調整することも可能になるなど様々なバリエーションが今後、出てくると思われる。ところで、当面の銀行員職員の願う平日の休日とはいつなのか。

◎銀行員が要求していた年末休日

 

 銀行の休日は、法律によって定められています。かつて、銀行は自己都合で店舗を開けて営業していました。普通の八百屋さんと変わりありませんでした。ところが、昭和金融恐慌のときに、取り付け騒ぎが起こりました。資金繰りに困った一部の銀行は預金者の取り付けを防ぐためにお店を開けないのです。そうなると民衆の怒りと不安はさらに増幅し、預金者はさらにほかの銀行に押し寄せますので、取り付け騒ぎが連鎖して全国に広がっていったという苦い歴史があります。そこで、銀行は平日、かならず店舗を開けておくことと法律で定めたのです。義務化しました。平日営業は信用の証だったのです。しかし、24-365と言われるようにネットバンクングでは、いつでも営業開店中です。かならずしも店舗を開けておくことに信用維持の意味があるわけではない時代なのです。

 

 今回、金融庁はこうした店舗に関する規制をいろいろと緩和しました。金融庁長官の認可事項だった休日を届け出制と緩和したため、銀行の営業体制も各銀行の考え方次第で様々な態様となることが想定されまます。すでにお昼時間の窓口の閉鎖が実施されていますが、こうしたことだけでなく、ある銀行員がA店にいたかと思えば、B店でも営業するということも可能になります。より効率的な資源配分が可能となります。代理店の運用も弾力化されます。

 

 緩和されたことの細かい解説はさておき、いま、銀行員が望む平日休業日はいつだと思われますか?それは意外なことに12月30日なのです。31日と元旦は連続の休みですが、カレンダー次第では、この二日間だけしか休めないこともあります。土日が挟まれば連休ですが、二日間だけでは正月休みもろくに取れないでしょう。よく銀行関係者は「正月休みがない」とこぼしていました。そこで30日を休みとすれば、確実に3連休が取れます。実家に帰り、屠蘇を飲み、お節を食べる余裕が生れます。幸い今年の年末は31日が月曜日なので、その前週の土日と31日、1日の4連休となります。銀行の休日は取引先の休日にも関連しますので、企業も少しはお正月気分に浸れるかもしれません。早い時点で12月30日の休業を届けるものと思われます。

 

 銀行の店舗はすでにランドマークとしての地位を降りました。店舗の統廃合が進み、かならずしも特定の場所に存在するというものではなくなりつつあります。いまのランドマークはコンビニです。グーグルで地図の検索をかけたり、車のナビでもそうですが、画面から銀行店舗は消えつつあります。もはや目印ではないのですから、仕方のないことです。夜になると明かりが消える銀行よりも夜でも明るいコンビニこそが目印としてふさわしい存在です。時代の流れでしょう。