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北朝鮮への送金は緩和されるか

米朝首脳会談が2月末にベトナムで開催される。昨年の6月以来2回目の会談となる。核廃棄がテーマだが、こうした安全保障問題に加え、注目されるのは、アメリカ(あるいは国連決議に基づいた)による経済封鎖がどこまで解除されるかという点だろう。金融界にとっては、勿論、マネロン規制がどこまで緩和されるのかという点も極めて関心が高い。

◎マネロン検査に一瞬の逡巡

 

 これまで日本国内の金融機関から海外への不正送金とされた事件の多くが、最終的な受取先が北朝鮮向けのものです。中国との企業を経由して北朝鮮というルートが多いようです。中国と北朝鮮との貿易が継続している以上、このルートが一般的なのだと思われます。とくに中国と北朝鮮の国境付近にある中国企業への送金は要注意だそうで、すぐに北朝鮮へと資金は流れていくと当局の方から聞きました(その企業名も教えて頂きました)。

 

 日本は在日朝鮮人が多く、こうした人々から多くの資金が北朝鮮に流れました(万景峰号での現金輸送などが有名でした)。また、北朝鮮の“戦後補償”要求として1兆円という数字が流れていたことがあります。実際に北朝鮮に流れた資金がこの金額だったのか、あるいは、この数字が丁度、北朝鮮系信用組合破たん処理費用に匹敵していたことから、そうした数字が流れたのかもしれません。日本政府が意図的に流した情報かもしれません。真偽は不明です。いまはそうした経済支援要請の話は一切ありません(密かに行われているのかもしれませんが)。ミサイル発射であれだけ威嚇されれば当然のことです。

 

 日本国内には北朝鮮との貿易専門の商社があり、メーカーもありましたが、ミサイル発射が契機となり、2006年から北朝鮮への経済制裁が本格化し、輸出入、資本取引が次第に強化されていきました。ヒト、モノ、カネの行き来が厳格に管理されています。違反すれば罰則があります。これは日本政府だけでなく、アメリカ政府もペナルティを課すことができます。

 

 ところがこの経済制裁の雪解けを感じさせたのが、昨年2018年6月のトランプ・キムの米朝首脳会談です。このとき、マネロン規制が緩和されたわけではないのですが、金融庁が予定していたマネロン検査・ヒアリングを「一時、停止した」とのことです。当局も「方向」を見守ったのではないでしょうか。そのとき金融機関側の対応も多少、緩んだと思われます(ただし、その後、後述のように事件発覚を受けて多数のオンサイト検査が実施されています)。

 

◎FATF審査は北朝鮮に焦点か

 

 しかし、多少方向感が揺れている中で、FATFの対日審査という厄介なテーマが今年の10月に実施されます。これをクリアするために、金融庁・財務省はその対策に奔走しています。各金融団体も「今年第1のテーマ」と位置付けるほど、熱が入っています。その対策の詳細は紹介できませんが、大変な労力であることは確かです。FATF審査の中身も北朝鮮送金が大きなテーマとなるでしょう。

 

 ちなみにこのFATFの審査にペケが付くと、日本は「要監視国」に格下げされます。そうなると海外送金の際、コルレス契約を結ぶ銀行がなくなる可能性があります。アイスランド審査ではこのペケが付きました。その善後策は大変なことになります。

 

 日本は北朝鮮という特殊な関係のある国への海外送金という特殊な問題を抱えています。ほかの国とは事情が多少異なります(実際には北朝鮮の企業が世界的に展開して北朝鮮に送金を続けているのは事実です)。もし、2月末の米朝会談で経済封鎖解除の方向が出るならば、韓国はもとより、日本でも対応が変わってくることが想定されます。ただし、米朝会談でまったく折り合いが付かなければ、マネロン対策は従来通り、厳格な運用が求められることになります。

 

◎某信金の事情

 

 昨年、北朝鮮の企業に18.7億円送金した某信金のケースでは、現場となった某支店の預貸率は2割という法人取引が非常に少ない支店でした。めったにない現金の海外送金だけに、チェックが甘くなったと思われます。こうした状況の支店は全国的に多いと思われます。(なお、このケースの発覚はどうやら当局リークだったようで、FATF対策を急がせる意図があったと思われる節があります。緩みそうな空気を消そうとしたのかもしれません。というのも信金内部で不正送金を把握したのが昨年の1月。新聞記事になったのが昨年の9月です。なぜ、このタイミングなのか。ヤラセの感じがあります)

 

 最近、窓口での現金海外送金を停止する銀行が第二地銀を中心に増えています。現在、35行にも上っています。リスク管理の観点からも、また収益管理の観点からもマネロン対策として有効だと思われます。金融庁はサービスの低下を懸念していますが、海外送金、しかも現金による送金ならば、受付窓口を絞り込むこと、あるいは大手銀行に紹介するなど、リスクの絞り込みを図ることは自然だと思われます。

 

 こうした撤退する銀行がある一方、資金決済業者が海外送金を続けています。今回のFATFの審査でも資金決済業者も対象となっています。これまた、ある当局者から聞いたのですが、「そこが意外と穴になる可能性がある」とのことでした。金融庁は金融機関を念頭に対策を進めていますが、仮想通貨業者も含めて、もっとパッチが必要な気がします。何しろ、一事業者が不適格となれば、日本全体が不適格になるのですから。


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