金融行政動向

金融行政動向 · 2019/07/15
金融庁と財務省は7月5日付で定期の人事異動を行った。遠藤俊英金融庁長官(昭和57年入省)、岡本薫明財務次官(58)の両トップが続投となった。昨年末あたりから続投との噂がながれており、麻生大臣の了解は早期の段階で取れていたようだ。財務次官続投の背景、金融庁幹部の直前の入れ替えと今回の幹部人事異動の特徴をまとめておきたい。(キャリア、人柄等の人物像については説明省略)
金融行政動向 · 2019/06/20
金融庁の金融審議会が6月3日に取りまとめた「高齢社会における資産形成・管理」報告書がその主旨とは別の政治的ハレーションを引き起こし、公的年金制度の頑健性にまで広がっている。高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、「毎月の赤字額は約5万円」となり、30年間の年金生活では2000万円の金融資産の取り崩しが必要になるという試算を示した。資産形成の重要性は十分理解できるが、別の視点で考えてみたい。
金融行政動向 · 2019/06/06
政府の未来投資会議は6月5日、今年度の「成長戦略実行計画案」を公表した。このなかで地銀関係者が強い関心をもっていた地銀再編のための措置として、独禁法適用除外を申請できる特例法を来年の通常国会で成立させることを明記した。しかし、使い道はあるのか。
金融行政動向 · 2019/05/20
金融検査マニュアルの廃止のための準備作業を進めている金融庁の「融資に関する検査・監督実務についての研究会」が、昨年7月に初めて開催され、10月の第4回の開催を最後に半年以上も開催されていない。内容が詰め切れていないという。当初の目論見では、今年の春までに結論を得るということだったが、頓挫している。現状の検討状況はどうなっているのか。
金融行政動向 · 2019/03/07
日経新聞が3月5日付で「地銀やバス統合促す 新法で独禁法の例外」と報じた。これは未来投資会議の地域政策協議会で検討している地銀とバスの再編のテーマだが、この報道が正しければ、「特例法」か「独禁法のガイドライン改正」かという議論に決着がついたことを意味している。両方の中身は同じであっても、前者と後者とでは質的に異なる。誰が企業統合を認めるのかという手続きが違ってくるからだ。また、今回の議論で最大の焦点となっている「シェア概念」の撤廃について、何も触れていないことが気になる。議論膠着の打開を図るために、経産省・金融庁から意図的にリークされた可能性もある。
金融行政動向 · 2018/12/17
金融庁は、近く総合政策局に配置した地域金融機関の検査部隊50人程度を監督局に異動することを明らかにした。これにより監督局在職の検査官は109人から160人程度となる。これにより監督全体の定員は470人程度を上回り、これまで最大の組織であった総合政策局の定員を超え、最大の局となる。夏の人事異動からわずか4か月程度というこの時期に大幅な異動を行うのはなぜか。また、検査官以外でも事実上の組織変更となったのが、総括審議官。総括審議官は検査を抱えていたが、今後は官房機能に特化する見込み。これもなぜなのか。予算要求とこれだけ違うと来年度の予算に影響しないかと思われるほどだ。
金融行政動向 · 2018/12/06
金融庁がスルガ銀行の「かぼちゃの馬車」事件をきっかけに、メガバンクをはじめ全国の地方銀行、信金、信組、ネット銀行を対象に、詳細な「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査」を実施している。年内に集計を終える予定だ。金融庁は実態把握によって問題が見つかれば、立ち入り検査を行うこととしている。アンケート調査の項目をみると、金融庁が投資用不動産向け融資を抑制しようとする意図がうかがわれる。金融庁は抑制意図を否定するが、読めば読むほど、金融機関側はあらたな融資は実施できないと感じるに違いない。
金融行政動向 · 2018/11/12
地銀の経営統合について総理が主催する「未来投資会議」で論戦が始まった。11月6日に開催された未来投資会議に「地銀等の経営統合などに対する独占禁止法の適用の在り方」の論点メモが事務局から提示され、今後の検討の大枠が示された。11月下旬から地域政策についての検討会で議論が始まり、来年の春までに未来投資会議としての方針が決まり、6月の政府の成長戦略に盛り込まれることになる。このメモのポイントを整理したい。
金融行政動向 · 2018/10/08
金融庁は10月5日、スルガ銀行に対して、新規の投資用不動産融資の半年間の停止命令とともに、経営者責任の追及、②コンプライアンス体制の確立、③反社会的勢力排除とマネロン対策の管理強化、④融資審査態勢の強化確立、⑤創業家・岡野氏のファミリー企業との取引の適切管理強化、⑥シェアハウス向け融資についての融資条件のリスケなど債務者への適切な対応を求める命令を発出した。行政処分の内容は極めて厳しいもので、スルガ銀行の経営存続にも影響しかねない内容となった。  処分には、シェアハウス関連融資問題に加え、③と⑤についての事実認定と処分が加わったことがポイント。銀行のさらなる信用力低下は避けられず、経営の縮小均衡は必至であり、場合によって胃は再編につながる可能性も出てきた。
金融行政動向 · 2018/09/30
金融庁は9月26日、「金融行政のこれまでの実践と今後の方針(平成30事務年度)」を公表した。これまでの「金融行政方針」と当該年度の実績を振り返った「金融レポート」を合体させ、過去(実績)と方針を並列し、読みやすい形式となった。金融界として関心が高いのは当然、前者の行政方針の部分。新しい行政方針が随所に盛り込まれているが、新機軸として、①金融デジタライゼーション戦略として金融行政方針を整理したこと、②高齢化社会におけるフィナンシャル・ジェントロジー(金融老年学)を踏まえた投資家保護の検討が挙げられる。  また、スルガ銀行のシェアハウス融資問題の反省から、とくに「投資用不動産向け融資」についてのモニタリング強化を括りだしたほか、FATF(マネーロンダリング対策・テロ資金対策について国際的な協調指導、協力推進などを行う政府間機関。国際規制に基づく加盟国への勧告なども担う)の対日審査を意識し、マネロン対策の強化にアクセントが置かれている。また、従前から金融庁が指摘してきた地域金融機関の本業の赤字が拡大していることと、持続可能なビジネスモデルの構築の促進もさらにトーンアップして書き込まれた。  ほかにも留意点、注目点は多々あるが、これらの詳細な解説は新聞解説とシンクタンクのレポートに譲るとし、以下の2点だけについてコメントしたい。

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